君の名は。

 9月1日は映画サービスデイということで、かねてより見ようと思っていた本作を見に行ってきた。

映画『君の名は。』公式サイト
『君の名は。』(きみのなは、英題: your name.)は、新海誠監督の日本のアニメーション映画作品。2016年8月26日公開。

君の名は。 - Wikipedia

イントロダクション

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えたあ日本。
山深い田舎町に暮らす女性高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。

(中略)

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三つ葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。
行ったこともない山奥の町で、自分が女子高生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。
「私/俺たち、入れ替わってる!?」

引用元:映画『君の名は。』公式サイト ストーリー
Scan001 この作品は、ざっくり言うとよくありがちな男女の入れ替わりものになる。
 はじめは夢だと思ってそれぞれ自由に生活してしまうのだが、だんだん周囲の異変に気付いていく。どうやら、眠るたびに三葉と瀧は入れ替わってしまうようなのだ。

 この入れ替わり現象は二人の周囲を少しずつ変えていってしまう。お互いにルールを作り、平穏に切り抜けていこうと協力する中、突然入れ替わりが起こらなってしまう。

 瀧は三葉に会うために飛騨へと向かい、そして、思わぬ真実が明らかになっていく…。





感想(重大なネタバレ無し)

 とまあ、ここまで書いたのが公式サイトや予告編で明らかになっているストーリーとなる。

 前半は入れ替わりものらしいコメディ要素も多く、笑いを誘ってくれる。(中身は瀧だが)男勝りな行動を取る三葉、なよなよとした喋り方をして終いには男友達からかわいいと言われてしまう瀧。見ていて楽しい高校生生活、青春といった感じだ。
 三葉の体にちょっと興奮しちゃう瀧なんて如何にも男子高校生らしいし、トイレに駆け込んだ三葉(外見は瀧)の赤面具合なんてのもうぶな女子高校生らしい?

 後半からは物語が大きく動き出すため、ここではあまり言及しないが、新海誠監督の「ほしのこえ」や「秒速5センチメートル」などの過去作を見ていると、ちょっと対比しながら見られるだろうか。
 特に「秒速」は一度見てみてほしいと思う。

 映画や本などで泣くことは滅多にない方なのだが、物語終盤では少し涙腺が緩んでしまうほど、神木隆之介さんと上白石萌音さんの演技にやられてしまった。

 周囲がカップルや女性の友達連れ客だらけだったうえに、こちらは一人だったので、ぎりぎり泣かずに切り抜けた。いやあ、危ない…。


 新海誠監督の作品といえばやはり風景の美しさにあるが、彗星の走る夜空は「秒速」の遠野の心のなかの空のようであり、糸守町の自然(特に紅葉したシーン)やタイムラプス映像のような東京の街並みはとても美しい。
 また、「秒速」が「(山崎まさよしの)One more time, one more chanceのミュージックビデオだ」などと言われることもあるが、この「君の名は。」もまたRADWIMPSの曲がいい仕事をする。RADのMVかよ!なんて声もたまに見かけるが、これも監督の思惑なのだ。

 全体的に如何にも新海誠監督らしい作品でありつつ、一方でこれまでの作品とはまた一線を画す映画だったかなと思う。


感想のような考察のような何か(ネタバレ有り)

前半の雑感

 とまあ、ネタバレなしだと大した感想もなく終わってしまったけど、ここからはネタバレありで感想などを書きなぐる。


 この映画、まずはじめにオープニングがある。テロップも付いて、さながらTVアニメのOPのようだ。
 ここの映像は初見だとよく分からないものもあったが、三葉と瀧の成長した姿などもチラッと映り、序盤から後日譚的な内容があるのだろうかと期待させてくれた。
 内容を知らないままオープニング映像を見たので、2回目以降はもっと気付く部分があるのだろうと思う。

 冒頭は雲の中を抜けていく映像だった。これはストーリー解説にもある彗星であり、最初はどういうシーンなのかよく分からないが、物語終盤で意味が分かってくる。


 話は、いきなり三葉と瀧が入れ替わり、目覚めるところから始まる。ところが、すぐ次のシーンでは元に戻った三葉で話が進んでいく。
 序盤では入れ替わりが起きているのかどうかが少し分かりづらい。苦手な人はいきなり混乱してしまうだろう。しばらくすると、三葉のクラスメイトから「昨日のこと」として最初の入れ替わりが起こったことが分かる。一旦このあたりで整理がついてくるはず。


 入れ替わりが起こるたびに瀧は三葉の胸を揉みしだき、実にうらy…けしからん奴だった。瀧、お前ちょっとそこ代われ。
 途中でお風呂禁止などのルールが作られたのが確認できるが、瀧(外見は三葉)はお風呂にも入ったのかもしれない。許せん!


巫女とご神体

 三葉は糸守町の神社の巫女の家系である宮水家の長女である。

 前半では、三葉が神事を行ったり、糸を結んで紐を編んだりするシーンがある。
 この「糸を結ぶ」というのが重要なことであるらしい。
 祖母・一葉からは「糸は人と人を結び、時間と時間を繋ぐ」という説明がある。さらには、糸は捻れたり、絡まったり、途切れたり、そしてまた結びついたりするという。時間も同じように、捻れ絡まり、途切れたり繋がったり、戻ったり進んだりする。
 宮水家がなぜこのような神事を行なっているのか、その詳細は失われてしまったが、今もこれを続けているという。糸守町という地名からも、糸=結びというものがこの地で重要なのであることが伺える。


 神事では妹と一緒に華麗な舞を見せ、さらにはちょっと話題になりつつある「口噛み酒」を作る場面がある。これは世界最古の酒として実際に存在するお酒で、巫女の女性が穀物や木の実を口で噛み砕いてどろどろにし、口内細菌によってアルコール発酵させるものである。
 妹の四葉は、「巫女さん(=三葉)の口噛み酒」として生写真や実際に作る様子を動画にして売り出そうなどと冗談で言い出す始末。本当に四葉は小学生なのか…。
 まあ、ちょっと欲しいけど

 儀式の後、三葉に入った瀧は祖母、四葉と共に宮水神社のご神体へと向かう。山の頂上?カルデラ状に凹んだところの中央に石室のようなものがある(でもこれってもしかして山じゃないのかな…?)。
 なんとなく「星を追う子ども」の雰囲気がある。まあ、これはかなり前に1度見たっきりなので勘違いかもしれないが、異界という感じが少し漂ってくるのだ。
 実際、祖母から「これより向こう側はあの世」だというような説明がある。一度あの世に踏み入れれば、何か大切なものを渡さなければ戻ってこれないという。ここでは先に登場した「口噛み酒」を奉納してこちら側へと帰ってくる。
 祖母はこの酒を三葉たちの半身と言っていたが、一度口にしたものはその者の血肉の一部ということなのだろうか。説明があったかもしれないが、ど忘れした。

 この帰り道で、三葉(中身は瀧)は祖母から「お前、夢を見ているな」と問われ、次の瞬間には夢から覚めて入れ替わりが戻ってしまう。どうやら、この入れ替わりは宮水家の代々の力であることが終盤で明らかになる。

 とまあ、ここまでの巫女とご神体の話は後々重要になってきそうだ。
  1. 口噛み酒は三葉の半身とも言えるものである。
  2. ご神体から帰ってくるには大切な物を渡さなければならない。
  3. 宮水家の巫女は入れ替わる力があるが、神事が行われた経緯などの歴史は不明。


入れ替わりの終わり

 三葉が色々と人間関係を変えてしまったせいで、瀧はバイト先の奥寺先輩とデートすることになってしまう。
 デートで行った美術館で糸守町に似た写真を見つけた瀧は、その写真に釘付けとなる。その様子を見た奥寺先輩には「今日の瀧君はなんか違うね」言われてしまい、最後の別れ際には「前は私のこと好きだったでしょ。そして、今は別に気になっている子がいるんでしょ」的なことを言われて狼狽えている。
 ケンカをしつつも三葉のことが気になりだしているのだろうか。そりゃあ胸を揉みしだいていればそうもなるか…。けしからん。

 デートの予定を勝手に組んだことについて文句を言おうと三葉に連絡を取ろうとする瀧だが、なぜか連絡が取れなくなってしまう。入れ替わりも起こらなくなったことで、瀧は三葉のもとへ会いに行こうと動き始める。
 入れ替わり時の記憶、デートの時に見た写真などを手がかりにして、瀧(と情報を聞きつけた友人と奥寺)は岐阜県の飛騨へと向かう。
 ろくに情報もなく、もう諦めようかという時、ついに瀧は糸守町であるということを突き止める。


 しかし、ここで衝撃的な事実がついに明らかとなる。

 この糸守町は、(瀧たちのいる時代から)3年前に彗星が落下して消滅していたのである。
 図書館で本や新聞から情報を集め、三葉やその家族、友人を含む総勢500名以上が彗星落下で亡くなっていた。

 映画冒頭の雲間を抜けるシーンは、3年前の彗星落下のシーンだったのだ。
 なんというミスリード。何度か瀧も彗星を見上げるシーンがあったが、まさかあのシーンだけが3年前の出来事だったなんて!
 瀧と三葉は、場所だけでなく時間をも超えていたのだ。糸が時間と時間を繋ぐと一葉が言っていたのは正にこのことだった。


再び入れ替わりへ

 瀧は、再び三葉に会うため、記憶を頼りにご神体を目指すことにする。
 糸守町を知る鍵となった定食屋のおじさんに連れられて旧糸守町にやってきた瀧。

 道を辿ってご神体へと辿り着く…のだが、今回は「口噛み酒」などないのだ。
 おじさんにもらったお弁当でも使うのかと思ったら、全部食べちゃってるし…。ここで渡せるものを持ちあわせていなかったことが後の展開に繋がってくるのかなと考えられる。
 ご神体に入って行くと、そこには3年前に奉納された口噛み酒が残ったままになっていた。それをお猪口に1杯、飲み干す瀧。その時、足を滑らせ倒れこむ瀧、その瞬間、石室の天井に描かれた彗星を目にする。

 次の瞬間、瀧は再び入れ替わっていた。

 ところで、「口噛み酒」といえば三葉の半身であると上で書いた。三葉の半身を飲む、つまりその身に入れるという行為で、強制的に入れ替わりを起こすことができたのかと考えられる。


 このシーンでは、味はどうなんだ!!俺も飲んでみたい!!と思った変態さんもさぞかし多いことでしょう。ちょっと思ったけど、冷静に考えるとあんなに綺麗に澄んでないだろうし、味は…。


彗星墜落からの回避

 さて、ようやく3年前の糸守に帰ってきた瀧。一葉らを説得して避難させようとするのだが、ここで先に書いた宮水家と入れ替わりの話、三葉の過去(母・二葉の死など)が明らかになる。
 ここで瀧は直感的に、入れ替わりの力が代々受け継がれてきたことが今日のためにあると悟る。

 窪地にあるご神体、その石室の天井に描かれた彗星、なぜ行われているのか分からなくなってしまった神事。これらを綺麗に繋ぐとこんな感じ。
 1200年前にもこの地に彗星が落下し、多くの被害が出た。この災いを恐れた人々は落下地点にご神体を祭り、災いを振り払うために入れ替わりのちからを持つ宮水一族に神事を行わせた。


 三葉の友人の勅使川原、名取の力を借りて町民を避難させようと画策する瀧。しかし、一番肝心な三葉の父親を説得できずに終わる。しかし、ここで瀧はご神体の方に三葉がいることを悟る。

 三葉の体に入り込んだ瀧は2013年にいるが、逆に三葉は2016年に瀧の体に入って、あのご神体の場所にいたのだ。


ちょっと長くなりすぎたから、一旦ここで切ろう…。
見てきた興奮が冷めぬまま、勢いで書いてしまったので、もう少しまとめたいね…。